ひっそりと佇む1軒の本屋、私は何気なく一冊の本を手に取った。
「circus」という名のその本は、幼い頃の色褪せた記憶を蘇らせた。
洋風の大掛かりなテント、異国の音楽、奇怪な姿の人々、見たこともない技の数々、
そして動物達の愛らしい姿。
その場にいる全ての物を包み込み、全てが一つになるあたたかくて不可思議な空間。
サーカスは何の前触れもなく、ちょっとした気紛れで町の小さな広場へやってくる。
短い間だけど小さな幸せの花を運びにやってきて、
誰にも気付かれる事なくこっそりとまた次の町へと幸せを運びに行ってしまう。
その後に残された物は、寂しさや、侘しさ、儚さ、そして楽しかった日々の記憶。
小さかったその広場は、いつしか多くの感情が交差するぼんやりと光を放つ場所となる。
サーカスは、今やとても大きな存在となってしまい、
誰もが気軽に観ることが出来ない遠い存在となってしまった。
誰もが身近に感じられ、そこにいる全ての人の心に光が差し込む、
そんなちょっとした幸せなひと時を感じる事の出来るモノを、私達の手で創り出したい。
jouer avec moa?(ジュエ・アヴェック・モア?) 仏語で「あたいと一緒に遊ばない?」の意